意識不明の重体

623 :本当にあった怖い名無し:2009/12/06(日) 15:26:35 ID:L0/SA53Z0
子供の頃、といっても小学5年生の時なんだけど、交通事故にあった。一時は意識不明の重体で、ICUにも入ってたらしい。
その意識不明の間、よく、三途の川が見えるとか、黄色い花畑?みたいな物が見えるというが、俺の場合もそうだった。

すごくいい香りがする花畑で、温かくて気持ちがいい。周りを見回すと、大きな川が流れてて、細い橋が架かっていた。
橋の向こう側をみると、去年亡くなったはずのお爺ちゃんと、同じ時期に交通事故で死んだ犬のペー助がいた。
「じいちゃん!」って声をかけると、にっこり笑っておいでおいで。と手を動かしている。
いつも、ああやって呼ばれてお菓子をくれたり、お小遣いをくれたおじいちゃん。
俺は嬉しくなって行こうとしたら、いつもは、ほとんど吠えなかったペー助が「わんわんっ!!」とすごい剣幕で鳴きだした。

あれ?俺、ペー助に嫌われちゃった?と思ってたら、ペー助が「ぐるるっ・・うー!」と、噛みつきそうなぐらい、ただごとではない様子。
あんだけ仲良しだったペー助に、グルルっ・・って言われるなんて・・と落ち込んだんだが、その瞬間目が覚めた。
医者や家族の話だと、あの時が一番危なかったらしい。

爺ちゃんが、俺を殺そうとしてた?とか考えると恐ろしい。そして、ペー助には本当に感謝してる。

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