宮司さんはいるか?

605 :本当にあった怖い名無し:2009/08/17(月) 23:59:21 ID:nJ+1OpGoO
投下します

四年程前のことですがある男性が神社へとやってきました。
男性は手水舎で顔をバシャバシャと洗うと境内で掃き掃除をしていた僕の所へ歩みよってきます。
男性は僕を上から下へと舐めるように見回すと「宮司さんはいるか?」と呟きました。
宮司(父)は外出していると伝えると男性は一瞬嫌そうな顔をしましたが
「あんたでいい」と言われ、背負っていたリュックの中からバインダーを出してきました。
何やら手間のかかりそうな感じがしたので男性を応接室へと案内し、話しを聞くことにしました。
渡されたバインダーを開いてみると写真が綴じてあります。
アルバムなんか見せてきて何なんだと思いながらページを捲っていると
直ぐに毛色の違うことに気がつきました。
顔がぶれて潰れている写真、白い玉が漂っている写真、片足の無い白黒白黒。
撮影した場所・人物・時代が全てバラバラのそのアルバムは異様な雰囲気を醸し出しています
。
「珍しいだろ。神保で見つけたんだ」と
男性は写真を手に取り得意気に語りだしました。
僕は半ば呆れて相槌を打ちながら右の耳から左の耳へと聞き流します。
男性が口を休めた隙を突いて僕は本題を問いただしました。

今日いらした理由は何ですか?

返ってきた言葉は余りに酷いものでした。要約すると、
興味本意で買ったわいいが毎晩怖い目に会うので処分してほしい
とのことです。僕は苛立ちを感じつつも御払いは出来ない旨を伝え、写真は燃やすことで了解を得ました。
男性はナンマイダー・ナンマイダーと炎を見ながら口ずさみ、
燃やし終わるとパチパチと手を合わせ上機嫌で帰って行きました。


終わり。

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