葬儀屋が自宅にやってきた

266 :本当にあった怖い名無し:2009/08/12(水) 00:11:21 ID:T+99oFOe0
三年前のちょうど今頃、祖父が亡くなったときの話。

知り合いの葬儀屋に仕切りを頼んで、通夜も葬儀も何とか終えて一段落。
しばらくして請求書と、一冊のアルバムを携えて葬儀屋が自宅にやってきた。
一体何のアルバムかと思ったら、葬式の最中の家族と親族の様子を収めたもの。
最近の葬儀屋はこんなサービスまでするのか、と母と一緒に感心した。
葬儀屋が帰って行った後、ゆっくりアルバムを眺めていると、あることに気づいた。
葬儀屋はアルバムとともにネガも置いていったのだが、どう見てもネガの枚数よりアルバムに収められている写真の枚数が少ない。
厳選したのだろうと思ったが、よくネガを見ると、後半の写真のほとんどに何かもやのようなものがかかっている。
これはもしや心霊写真とゆーやつでは!?と浮かれた私は、おもしろ半分に自宅のプリンターでボツ写真の一枚を現像してみた。
そして大後悔。
現像した写真には、祖父の棺を前に涙する私と母、祖母が並んで写っていたのだが、画面の下半分、棺を覆うように赤い光が。
そして何より怖いのは、その光の一部が腕のようにすっと伸びて、半月状の手が祖母の口を塞いでいる事だった。
私は慌ててネットで簡易なお炊き上げの仕方を調べ、見よう見まねでその写真を処分した。

せっかくの葬儀屋の気遣いを無駄にしてしまったという話。
しかし葬儀屋って仕事は毎日がこんな感じなのかもな…と薄ら寒くなった。

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