心霊写真 - 島田秀平

心霊写真、皆さんも雑誌やテレビで見たことがあると思います。
この写真というものは霊からのメッセージを写しやすいものなんです。
こんな話を聴きました。

ある女性に起きた話なんですが、その女性が子供の頃、小学校時代の話です。
その学校にはAくん、Bくんという仲の良い男の子がいたそうです。
この二人は地元のスポート団にも入っていたらしいんですが、本当にスポーツ万能で何をやらしてもすごいんです。
それでスポーツだけでなく勉強も常にトップ。
二人のどちらかが必ず一位か二位。
常に二人でトップ争いをしていました。

仲も良いしスポーツも出来て勉強も出来る。
そしてライバル関係。
そんな二人が居たんです。

それでその二人は仲が良い。
その女の子というのはAくんとBくんと家が近かった。
幼なじみのような関係で、常に三人で遊んでいました。
それで学校のヒーロー二人と常に一緒に居るということで周りも自分のことを羨むし、優越感に浸ってその女の子は気持ちが良かった。

そんなある日、三人で近くの川に釣りに行ったんです。
それでその女の子はお父さんからお誕生日プレゼントにインスタントカメラをもらっていた。
それが嬉しかったものですから、記念写真を撮ったんです。
釣りに来ていますから、川があって、川の前にAくんとBくんが並んで、その二人を写真に撮ったんです。

後日この写真を現像してみると写真におかしなものが写っているんです。
AくんとBくんが並んでいるんですけど、Aくんの右腕の下のあたり、川の水面のところに人の顔のようなものが見えるんです。
その顔は小さな男の子のように見えます。
その顔のようなものの目がギロッとAくんの腕を見ているんです。
その当時その女の子は心霊写真というものの存在自体知らなかったので、ただただ気持ちが悪かったそうです。

そうしたら数日後、Aくんがサッカーの練習中に変な転び方をして右腕を怪我してしまったそうです。
それは骨折で、かなりひどい怪我だったそうです。
Aくんは病院に入院をしたんです。
女の子はその時のあの写真の存在を思い出しました。
そして嫌な予感がしたんです。

(あれ、もしかしてあの写真、男の子が右腕を見ていたような。
 これは何か関係があるんだろうか)

女の子は気になって引き出しから写真を取り出してビックリしました。
前見た時と写真が変わっていたんです。
あの時はAくんの右腕だけを見ていた男の子。
なんと川から這い出してきていて、Aくんの右腕をギュッと掴んでいるんです。

(これはもしかして、Aくんの右腕をこの子が掴んだから・・・。
 だからAくんは右腕を骨折してしまったんじゃないだろうか)

女の子はあまりにも怖くなったんでBくんを家に呼んで

「Bくん、ちょっとこれ見て。
 男の子がAくんの腕を掴んでいるの。
 だからきっとAくんは骨折したんだよ」

そうするとBくんは言うんです。

「これを見せたらAのやつショックを受けるよな。
 だからこれは絶対に内緒だよ。
 俺が大事に保管しているから」

Bくんはその写真を持って家に帰りました。

それから一週間後、病院に入院していたAくんが亡くなってしまったんです。
Aくんは急に病室から飛び降りて自殺をしてしまったんです。
その時、飛び降りる直前、看護婦さんの話だとAくんはずっとこう言っていたそうなんです。

「あいつが来る・・・。
 あいつが来る・・・」

きっと入院中のストレスで気持ちが病んで思わず突発的な行動に出てしまったんだろう、そういう話でした。

それからしばらくして、Bくんと女の子は「そう言えばあんな写真があったよね」という話になりました。
するとBくんが「見る?」と言って写真を出してきたんです。
するとその写真、AくんとBくんの間で写真がはさみで切られているんです。

「あれどうしたの?
 なんで切ってるの?」

「あぁ、Aの方ははさみで切って捨てちゃったんだ」

「・・・なんで?」

「だってさ、切らなかったらいつあの男の子が俺の方に来るか分からないだろ」

「だったらもっと早く、あの男の子が来る前に写真を切ってくれたらよかったのに!
 そしたらAくんは死ななかったかもしれないのに!」

「だってさ・・・。
 あいつが居ると俺はいつも一番になれないんだよ」

Bくんはそんな風に言ったそうです。
その時のBくんの顔を見るとあの写真に写っていた小さな男の子、その顔にそっくりだったそうです。

前の話へ

次の話へ