ホンモノがのってる
149 :本当にあった怖い名無し:2010/06/24(木) 22:36:02 ID:C8wocqMw0
少し寒い時期の頃、
「あっちゃー、来ちまった」
体全体を襲うビイイーンという感覚に、寝ていた俺は思った。
久しぶりに金縛りにあったのだ。
金縛りは、あった人はわかると思うが、全身がしびれて動かなくなり、夢ともうつつともつかない妄想が半ば実体化したようなものが目の前に浮かびあがったりする。
それは音であったり、人物であったり、ときには恐怖そのものであったりするものだ。
その時の始まりは「音」だった。
足もとの蒲団が「サクッ」と音を立てる。
いつもと違うのは、妙にリアルだということ。
サクッ サクッ
音は少しずつ少しずつ登ってくる。足に何かが乗ったような圧迫感が生じた。
「あれ?」
こんな感覚は初めてだ。
サクッ サクッ サクッ
圧迫感がどんどん登ってきた。足を登り、腹、胸で少し止まり、そして首、、、
スーッ スッ スッ
何か呼吸の音のようなものが聞こえ、顔に生暖かい息がかかる。
違う。いつもと違う。リアルすぎる。具体的すぎる。
「なんかホンモノがのってる!」
やばい、死ぬ。全身に力を込め、指先を、首を動かそうとする。体を動かすまいと全身のしびれが強くなる。
「っっっっっつああああ!」
気合いで金縛りが解けた。
「ニャン?」
俺の首に座り込んでいた飼い猫が「どしたの?」という感じで鳴いた。「ホンモノ」の正体はこいつだった。
とりあえずその日は電気をつけて寝た。猫は布団の中に押し込んだ。

