「自習室」で寝よう

403 :本当にあった怖い名無し:2010/02/07(日) 18:39:58 ID:NAUginf90
ほんのりね。

私は高専に通う学生♂です。
高専というのは5年制の工業高校みたいなもので各県に大体1校はあります。
高専には県内各地から学生が集まり、私の学校では2年間は強制で寮に入ることになります。
実家が遠くて通学が無理という人は3年以降も寮に残ることが出来ます。

この出来事は私が3年生のときでした。
高専の寮は完全なる学生寮であり、3人部屋、トイレ・水道・風呂共用というすさまじい環境です。
昨年各部屋にエアコンが導入されましたが私が寮にいた頃はエアコンはありませんでした。
そのため夏の暑い夜はとても寝苦しいものでした。
そこで同室の住人たちと「自習室」で寝よう。という話になりました。
自習室は寮の各棟に1室はある部屋で名前のとおり自習をするための部屋です。
そこにはエアコンがあり、冷房をつけ、部屋に鍵をかけて他の人が入れないようにして寝ようということで話がまとまりました。

時間は夜の1時過ぎ。
3人で自室を出て自習室へ行きました。
冷房をいれ、部屋に鍵をかけ、よくあるキャスター付の回転イスを3つほど並べてその上に寝ました。
冷房のおかげでだいぶ涼しく、すぐに眠ることが出来ました。

それから時間が経ち、私はなんだか気分が悪くなって目が覚めました。
冷房のせい?不安定なイスの上で寝たせい?
そんなことを思いつつ部屋の時計を見たら午前4時10分頃でした。
再び寝ようと思って身体を横にしても気分が悪いためか寝付けません。

その時でした。部屋の入り口の方からごそごそと話し声みたいなものが聞こえました。
誰かいるのか?と思い起き上がって部屋の入り口を見ると、そこには誰かが3人いました。
部屋も暗くコンタクトを外していた私には3人の顔は黒で潰れて見えました。
目が合った気がしたかと思ったら、話し声が止み、その3人はそそくさと部屋を出て行きました。

「変なの」と思ってまた寝ようと思ったとき、あることに気づきました。
たしか部屋には鍵を締めたはず。誰かが入ってこれるはずは無いと。
私は部屋のドアを確かめました。鍵は締まっていました。
そしてよく考えると異様に大きいはずのドアの開閉音が
その3人が部屋から出るとき、全く聞こえなかったことに気づきました。
「・・・」と思いつつ私は再び眠りにつきました。

次の日の朝、一緒に寝てた同室の友人にその出来事を話しました。
すると友人は、私が4時過ぎ頃部屋を出たと言いました。
友人いわく、大きなドアの音が聞こえて目が覚めた。周りを見るとA(私)が居なかったから
たぶんトイレにでも行ったんだろうと思った。そのときの時間は4時過ぎ。

私は部屋の外には出てないし、ドアの音も聞こえませんでした。
そんな不気味な体験。

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