昔、暗い山の中に住んでた

255 :本当にあった怖い名無し:2009/11/01(日) 05:36:15 ID:oFZwPKKSO
長くなりますが(´・ω・`)

昔、暗い山の中に住んでた。場所は全然覚えていない。父方(今は離婚して、父はいない)の祖父母の家で、大きな木造の古い家だったな。
「二階に行く時は一人で行ってはいけない」「どうしても一人で行かなければならない状況の時は、階段を上る間、念仏を唱えて上りなさい」「この部屋には入ったらいけない」
と、色々言い聞かされていた。
鬱蒼とした森の中なので、ご近所さんなんてものもいない。幼稚園や保育園にも行っていなかったので、遊ぶ時は、一人で家の前で遊んでいた。
やはり山道なので、家の前も坂道。
その坂道をよく、キツネやリスにまじって、登ってくる人たちがいた。
みんな、真っ黒で、わかりやすく言うと、影を立体的にしたような人たちだった。
そんな人たちがたまに登ってくる。自分の前も通り過ぎ、ずっとずっと上へ登って行く。
ある日、影たちの行き先が気になり、一人で山を登って行ったことがある。
その時の山頂の風景が未だに忘れられない。本当にまっさらで、太陽を独り占めしているかのように明るく、美しい場所だった。
そして山頂から見下ろす景色もとても美しかった。
そこでボーッとしているとすぐにばあちゃんが探しにきた。
ここへはあまり近づいてはいけないときつく言われて、それ以来行くことはなかった。
もう一度、あの場所を訪れてみたい。

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