辿っていって

212 :本当にあった怖い名無し:2009/09/21(月) 11:51:06 ID:QTlr6Inl0
ほんのり怖かった話。最近だった。

俺が友達の家から帰る途中、何匹もの虫の死骸に出会ったんだ。
コオロギとかカナブンとかの死骸。外傷は無かった。
その死骸がまるで、列のように繋がってるんだよ。間隔は2、3メートルぐらいで。
気になった俺はそれを辿っていく事にする。時間も時間でそれなりに暗かったから、見失わないように常に死骸を見て歩いていった。
数分……多分、4、5分ぐらいだったと思う。辿っていって、見知らぬ一軒家に着いた。
家というか最早、廃墟。家全体がなんか、黒ずんでるし、窓ガラスもばりばりに割れていた。
なにより恐ろしかったのが、玄関が開いてたんだが、そこから見える家の中。暗くてなーんも見えなかったんだが、なんか危機迫るものを感じたんだよ。
背筋がゾクっとしてきて、急いで自分の家まで戻った。
その後、なにもなかったわけだが、あれは恐ろしかった。

ちなみに後日談。それから数日後に気付いたんだが、その家までどうやって行ったのか、どうやって自分の家まで帰ったのか、
記憶に靄がかかっているようでなにも思い出せなかった。
でもそのぶんあの、黒ずんだ家だけは鮮明に思い出せる。

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