ごめんください、ごめんください

129 :1/2:2009/09/19(土) 00:06:57 ID:1prbx3YLO
俺の大学はまだ夏休みなので、一人で留守番してたのね。
二階の自室で犬とゴロゴロしてると突然犬が唸り声をあげて一階へ疾走。
同時にガチャガチャ力一杯戸を引く音が。
その引き方が異常だ。必死というか、もしや急病人でもいるのかと思うくらい。
でも声をかけるかインターホンが先じゃね?
不審でビビりつつも見に行く。その間も絶えず引きまくってる。こええ。
そのうち声が混ざった。
「ごめんください、ごめんください」…お婆さんの声だ。俺のばあちゃんじゃない。知り合いでもない。刷りガラス越しに見える身長は低い。
90歳くらいで腰が曲がってるか、でなきゃ1mもない小人だ。

それだけならちょっと怖いけど変な人で済むんだが。
玄関の横にあるベランダ?テラス?からレースのカーテン越しに確認すると、玄関に人影がない。

ぞっとした。まだ戸を引くうるさい音はしてる。たまにごめんください、が混じる。
でも玄関には誰もいない。外に出て見るわけじゃないから死角は有るが、
完全に死角に入るには玄関の隅っこに張り付いて手だけ取手にかけないといけない。
そもそも刷りガラスから見ると扉のど真ん中に誰かいるんだ。どうなってんだよ。

怖くなったとこで音が止んだ。ほっとしたとこでカサカサ乾いた音がする。
恐る恐る玄関に戻って見ると、曲がった指がぺたぺたとガラスを触っている。
もうやめてくれよ…
たまに戸の格子をつかんで取れないか動かしている。
壊さないだろうな!?とか無駄に心配してた。

その間5分程度だったかもしれないが、俺にはその数倍経ったように感じた。
気付くと気配もなかったが、あれは何だったんだろう。
親にも(姿が見えなかったことを伏せて)話してみたが、
セールスでもご近所さんでもなさそうだし正体が掴めないと不思議がってた。

ちょっと長くてごめん。
いつもは心強い番犬も途中から逃げだしてしばらく机の下から出てこなかったし、マジ怖かった。

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