一度だけほんのり怖かった事

930 :本当にあった怖い名無し:2009/09/14(月) 18:47:31 ID:Shmwhb4E0
中学生の頃、よく金縛りにあった。と言っても連日連夜とかではなく、
月に1回とか2ヶ月に1回とかその程度の頻度だったんだけど。

自分は霊感も無いし、霊事態の存在も正直信じていないので
金縛りにあっても「鬱陶しいな」とは思えど、恐怖感は持たなかった。

ただ一度だけほんのり怖かった事がある。

夕方5時頃ベッドの上でうたた寝していたら、金縛りにあった。
慣れていたのですぐに、体を動かそうとしても動かせないもどかしさと格闘を始める。

するとベッドに投げ出した右足付近に、ギシ・・・と誰かが乗り上げた感覚を覚えた。
「誰・・・?」と思うも、両親・兄弟はまだ帰ってくる時間じゃない。
そもそもオレが寝ているベッドに、声もかけず乗ってくる理由が無い。

体には触れていないものの、オレの右下肢あたりでギシギシ音がして、何かがいる気配は消えなかった。

霊を信じていないとはいえ、これにはさすがにちょっと焦る。
声を出そう体を動かそうと努力するが、全く動けない・・・が、
何故かは知らないが左目の瞼が少しだけ持ち上がった。

瞼が少し痙攣していたため視界はおぼつかないものの、うっすらと部屋の景色が見える。
とはいえ首を左に傾けて寝ていた為、ベッドを付けている壁のクロスとカーテンしか見えず
「何かがいる」気配の方へは視線を移せない。

すると今度はオレの右脇腹横あたりに、ギシッと気配が伸びてきた。
何かもう見えちゃいけないものが見えてしまいそうで、かといって見たくもないので
慌ててうっすら開いていた目を閉じる。

とりあえず息を殺すようにしていると、今度は右耳に念仏のような人の笑い声のような
そもそも人の声なのかどうかも分からない音が、聞こえてきた。

外から聴こえて来るというより、耳鳴りのように内側で響いているような音だ。

「これホントにまずいんじゃないのか?」と震えつつ、どうしようもないので
目を閉じた状態でじっと待つ。

徐々にその音は遠ざかっていき、ベッドにいた何かの気配もいつの間にか無くなっていく。
それに合わせて、何事もなかったように金縛りは解けており、体に自由が戻っていた。
 
体を起こして部屋を見回しても、当然だが誰も居なかった。


その時はめちゃくちゃ怖くて仕方が無かったんだけど、決定的な何かを見た訳でも無いし
金縛りって半分寝ぼけているような状態だし、夢でも見ていたんだろうな・・・と
恐怖感はどんどん薄らいで今じゃ何とも思わなくなってる。

ちなみにそれを最後に、10年以上金縛りにはあってないです。

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