足音に気付いた

305 :本当にあった怖い名無し:2009/08/12(水) 18:29:00 ID:g9XB8uGm0
自分が中学生の頃のほんのりと怖い話

もう20年くらい昔のことなんだけど当時、親の転勤で田舎に引っ越した
山裾に小さな集落があって住人全員が顔見知りって感じのところだった
20年くらい前のことだからコンビニなんてもちろんなくて、小さな雑貨店が一軒あるのみ
深夜営業してるような飲食店などもなかった
そんな環境だから夜の8時を過ぎたら人通りなんてまったくない
むしろ出歩いてる人がいたら誰だろうって不審がられる

当時、自分は妹と一緒に部屋を使ってたんだけれど
その頃から結構宵っ張りでその日もスタンドライトの灯りで本を読んでた
かなり夢中になって読んでいたので気が付いたら0時を回っていた
トイレに行ってから寝ようかなと思ったときにその足音に気付いた
前述の通り、夜の8時を回れば人通りもない田舎なので
この時間に誰かが出歩いてることは考えにくい、でも現実に足音はする
どういうことだろうと考えてる間にその足音は自分の家を目指しているようだと気付いた
(当時住んでた家は他の家と少し離れていた)
怖くなった自分は灯りを消して布団にもぐって「こっちくるな!」って必死に念じていた(笑)

しかしそんな自分の思いとは裏腹に足音は自宅前で歩みを止め
意味不明なことを叫びながらガンガンと玄関をゆすり始め
やがて足音の主はすりガラスでできた引き戸の玄関をブチ破って
土足で家に入り込んだらしく(刃物のオプション付きで)
侵入者に気付いた父と格闘しているようだった

その後のことはもうパニックでよく覚えてないけど
足音の主はアル中で入院中だったがお盆ということで一時退院してきて
案の定、家にあった酒を飲んでこの奇行に走ったということだった

霊感ゼロの自分は生きてる人間が怖いということと父の勇姿を
お盆になるたびに思い出すのです

長文になってすまぬ

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