隣部屋の母娘

134 :本当にあった怖い名無し:2009/06/09(火) 12:56:55 ID:v5RfUcZh0
某安ホテルに泊まった時の話。
夜遅くに、隣部屋の母娘が俺んとこに来た。
部屋がなんだか変だから、見てくれないかと言う。
フロントは、何度電話しても出ないのだ、と。
変って、どうしたんですか?と聞いたら
「部屋に、誰かが居るみたいなんです」と、母。
安ホテルの狭い部屋、隠れる所なんか無いわけだが
都市伝説とか、怪談の類いをいくつか彷佛として興味をそそられたw
オカ板住民としては取り敢えず行ってみなくちゃいかんよなw

ひと通り部屋を調べたが、勿論誰も居ない。
一応バスルームも覗いて、出て来た所で
頬に、ふっと風を感じたような気がして窓を見たが
ちゃんと閉まっている。やっぱ異常無し。
「なんで、誰か居ると思ったんですか?」と聞いてみる。
「ソファでくつろいでたり、ベッドで横になってると、人の気配がしたり、
耳元で、こそっと誰かが囁くような感じがするんです」と、母。
正直、蚊でも居るんじゃね?と思った。
が、娘は涙目で本当に怯えているし、母は娘を抱き寄せて緊張している。
虫であれオバケであれ何であれ、部屋変えてもらうのが手っ取り早いと思い
みんなで一緒にフロント行きましょう、と提案した。

俺を先頭に、母、娘の順番で、ゾロゾロとドアに向かった。
と、窓の所で「 ウクッ…」みたいな、
忍び笑いとも嗚咽ともつかない声がした。ような気がした。
間髪入れず、娘が「ギャッ!」と、物凄い悲鳴を上げ
どっちかつとそれにビックリして、俺は部屋を転がり出た。
母娘が抱き合って走り出て来るのを確認して、
俺は腕だけ精一杯伸ばし、灯りのスイッチを切って、ドアを締めた。
閉める直前、窓を見やったが、安っぽいカーテンが外灯に照らされて
窓枠の影が透けて見えるだけで、誰も居ない。

オチも何も無くてスマソ。フロントの夜間係はバイトっぽい兄ちゃんで
案の定、奥で居眠りぶっこいてやがった。
叩き起こして事の次第を話したら「ああ…あの部屋ですか…」
…な~んて言う事も無く、事務的に部屋替えに応じてくれた。

翌朝、食道で再び会った母娘は、元気そうだった。
母親は、何度も俺に御礼を言い、娘はトーストにジャムたっぷり乗せて
モリモリ食ってたw どうやら新しい部屋では何事も無かったようだ。
今では、あれは本当に声だったのか、何かが軋んだだけだったのか、
母娘の怯えように引き摺られて、声を聞いたような気になっただけなのか、
もう自信が無くなってしまった。
ほんのり怖いんだか怖くないんだか俺にもわからない、
でも娘は可愛かったなあ(*´∀`)という想い出話ですた。

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