あのおばあちゃんと遊んでたの

906 :本当にあった怖い名無し:2009/03/10(火) 18:48:10 ID:dtzsvWOaO
ほんのり怖いような不思議な話をちょっぴり投下。
10年以上前の夏休みの話。

その年は親父の実家がある沖縄に帰省していた。
帰ってそうそう親戚周りやらなんやらに追いたてられ、3日目くらいにようやく落ち着いてきた頃。

当時5歳の妹が行方不明になった。

実家があるのは小さな島だったため、遠くに連れ去られるようなことはないはずだと、島中を探し回ったが妹どころか妹を見たという人すら見つからない。
1人で海に出掛けたとしても見慣れない小さな子供が歩き回っていたら目立つはずなのに。

夕暮れ時になっても見つからず、ばあちゃんやオカンが泣き出しそうになっていたとき、妹がひょっこり帰ってきた。

どこにいたんだ!と問われた妹は
「あのおばあちゃんと遊んでたの」
と一枚の写真を指差した。
それは戦争が始まるよりも前に亡くなったひいひいばあちゃんの写真だった。
そんな子供の言うことを信じる人はおらず、とりあえず無事に帰ってきて良かったな、とその日は何事もなく終わった。

次の日の夜、妹の言っていたひいひいばあちゃんの遺品をばあちゃんが出してきた。
占い師だか拝み屋さんに聞いてみたら、ひいひいばあちゃんが妹の事を守っているから、何か縁の物を持たせろと言われたそうだ。

だが妹は首を振ってもう貰ったと言う。
「おばあちゃんから貝殻貰ったの。お揃いの貝殻。お守りだって」
そう言って取り出したのは小さな白い二枚貝の貝殻(片方だけ)。
二枚貝の片割れのそれは、見た目は全然新しくて、どっかから拾ってきたようにも見えた。
半信半疑のじいちゃんばあちゃんの前で妹が遺品の中の小さな箱を取り出して開けると、その中から妹は持っていた貝殻と似たような貝殻を取り出した。
でも似てるのは形だけで、色やはくすみ、ずいぶん古い物に見えた。
「これおばあちゃんとお揃いなの」
妹が持っていた貝殻と遺品の貝殻を合わせると見事にぴったり。
隙間もなく完全に合わさった。
それを見てもうじいちゃんばあちゃん大わらわ。
俺は親戚の家に預けられ、妹と両親はじいちゃんばあちゃんに連れられてどこかに行ってしまった。

その後何があったのかは残念ながら教えてはもらえなかったが、今でも妹の部屋に小さな白い貝殻が大事そうに飾ってあるのを見ると、ひいひいばあちゃんは今でも妹を守っているらしい。

俺が、というか妹が体験したほんのり怖いような不思議な話。
長文失礼しました。

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