T霊園

753 名前:本当にあった怖い名無し :2006/02/10(金) 17:56:59 ID:DFkaJ7Wr0
友人数人と肝試しにT霊園にいったときのことだ。
時刻は2時をまわっていたと思う。はじめは盛り上がっていた俺達も
あまりの寒さと霊園の不気味さにビビリ結局園内を車で徘徊する事にした。

霊園内は碁盤の目の様に道が走り200~300メートル毎の交差点が
ターミナル状の広場になってる。

ヘッドライトが照らす場所以外は闇が覆って目の前に広がる変化の無い道に、
まるで抜け出せない迷路に入り込んだような錯覚に襲われる。

どのくらい走ったろうか?突然ヘッドライトに後ろ姿の人影が入ってきた。
半ズボンだ…ランドセルを背負った小学生くらいの男の子が歩いてる。

黄色い帽子が印象的なその子は俺らの車など眼中に無いように
真っ暗闇の霊園の道を黙々とあるいているのだ。

こちらは車だったから時間にしたらほんの数秒だろう。
男の子はあっという間に霊園の闇に飲み込まれていった。

車内の全員で見たので見間違いじゃない。
どう考えても幽霊の類には思えない。それくらいしっかりした
存在感があった。

でも…だとしたらあんな時間にあんな場所であの子はいったい
何を目指して歩いてたんだろう?

ビビリな俺は声をかけるなんて真似は出来るわけもなく…
あの男の子の後ろ姿は今思い出しても
うっすらと怖くなる

前の話へ

次の話へ