バイト先でのこと

771 名前:1/3 :2005/12/13(火) 20:51:55 ID:yzh+qs0P0

バイト先でのこと。
4年ぶりに昔働いていたことのあるお店を、友人Yと一緒に手伝うこととなった。
当時、バイト仲間は全員仲が良く、オーナーや店長も気さくないい人たちで、働いている、というより
仲間に会いに行く感じだった。

当然古株の連中は残っていて、復帰した自分とYを快く受け入れてくれた。
変わらない面子にホッとしながらも、どこか店の雰囲気が4年前と変わっている。
まあ4年も経てば客筋だって変わるしな、とあまり深く考えてなかったのだが、ある日それは起こった。

閉店後、店じまいの片づけをしていると更衣室の前でガヤガヤと何人かが騒いでいる。
何事かと見に行ってみると友人のYが青ざめながら、「着替えようと更衣室を開けようとしたら中に
誰もいないはずなのに、扉を中から閉められたの!」と騒いでいる。

ビックリするほど怖がりなYは、ふざけてそんな事を言うような奴じゃない。
内心焦りながらも冷静に、更衣室は非常にせまく、物も乱雑に置かれていたため
「何かが倒れてきたんじゃないの?」「何か引っかかったんだよ」と落ち着かせようとなだめていたら、
そこにいたSが「実は前も、あったんだよね…誰もいないはずなのに扉が勝手に閉まるの」
と爆弾発言。おまw余計な事言うんじゃねえよwwと突っ込みそうになるが話を聞いてみると、
丁度1年ほど前から扉が勝手に閉まる、扉が開かなくなる、などの現象が起こりはじめるようになったとか。

その後、幽霊信じる派、空気圧の関係だろなどの信じない派に分かれてギャーギャー騒ぎながらもその日は
皆だべる事もなくさっさと帰った。

そんな事が起きてから一週間も経ち、皆そんな事もあったっけねえ、と多忙な日々を過ごしていたのだが、ある日
あまりに店がヒマで皆仕事をサボり、騒いでるなか自分はウトウトと居眠りを始めた。

夢なのか現実なのかまったくわからない状態で、いつのまにか左隣に白いコートを来た女が座っているのを
ボンヤリ見ていた。
正確に言うと、見ていた、というより認識していた、というか電車で寝てるときにで隣に人が座ってもああ、いるな
と思うだけでそんなに気にしないだろ?あんな感じ。

隣にはいまK姉さんが座ってるはずだよな?っていうかこの店には白いコートを着てる女なんかいないはず…

と思ったけど、無理矢理気にしない事にした。ここで下手に覚醒して怖い思いをするのも、雑談で盛り上がってる皆を
怖がらせるのも、寝不足な時の至高の居眠りタイムwをなくすのもどれも嫌だったからだ。

そのまま10分位してから客が入り、完璧に目が覚める。
M姉さんが「寝てたでしょ~w」と話しかけてくる。
「いや~はは、寝不足なもので…夢なんか見ちゃいましたよ」
「なになに、どんな夢見てたの?」
さあ、困った。M姉さんは気風が良くて姉御肌だが怖い話にゃトンと弱い。バカ正直に話すのもあれだ、と思い適当にごまかし
その日の仕事をこなす、んだがやたら左肩が痛い。痛い。シャレにならん位痛くなってきた。
冷えてるからな、と自分に言い聞かせその日の業務を終えてYとK姉さんを車で送る事になった。

勤務中と比べて大分楽になった左肩をさすりながら、店長と周りの奴らが盛り上がってるのを横目に車を取りに行き、
YとK姉さんを拾って帰路につく。
雑談を交わしながらふと「あ~!!左肩痛え~!!」というとそれを皮切りに何故か怖い話になり丁度いいや、とさっきの白い女の
話をすると途端に青ざめるYとK姉さん。

店の入り口すぐ横にトイレがあるのだが、皆か出る時店長がトイレの鍵を閉めようとしたらいきなり勝手に扉が閉まったそうなのだ。
それでさっき皆あんなに騒いでたのか…と妙に合点が行き感心しているとK姉さんが「今日更衣室に一番最初に入ったのは私なのよ。
だから最初に私にくっついて、次にその隣でウトウトしてた君にくっついて最後にトイレに戻ったんだろうねw」とまとめてくれた。

それだけの話なんだが、これを書いている今、寒気が止まらない。
震えが止まらん。
軽い気持ちで書き始めたのに…。・゚・(ノД`)・゚・。

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